SUVは現在、中古車市場でも非常に人気があります。
しかし、
「中古SUVを買いたいけど故障が心配」
「買ってはいけないSUVはある?」
「修理代が高くならないSUVを選びたい」
という人も多いのではないでしょうか。
私は自動車整備の仕事に40年以上携わり、これまで多くの車を整備してきました。
その経験から感じるのは、
SUVだから壊れやすいのではなく、車種・年式・走行距離・整備状態によって故障リスクが大きく変わる
ということです。
特に中古SUVの場合、購入価格だけを見て選ぶと、あとから高額な修理費がかかることがあります。
この記事では、整備士の立場から「中古で購入する場合に特に注意したいSUV」を7車種紹介します。
ただし、ここで紹介する車種がすべて故障するという意味ではありません。
同じ車種でも、前オーナーの使い方や整備状況によって状態は大きく違います。
中古SUVを選ぶときの参考にしてください。
買ってはいけない中古SUVランキング7選
今回紹介するのは、次の7車種です。
- 日産 エクストレイル
- マツダ CX-5 ディーゼル
- 三菱 アウトランダーPHEV
- スバル フォレスター
- BMW X3
- メルセデス・ベンツ GLC
- フォルクスワーゲン ティグアン
順番に解説します。
1位 日産 エクストレイル
日産エクストレイルは、中古車市場でも台数が多く、比較的手頃な価格で購入できる人気SUVです。
しかし、中古で購入する場合は特にCVTの状態を確認したい車種です。
CVTに不具合が出ると、修理費が高額になることがあります。
試乗するときには、
・発進時にガクガクしないか
・加速時に異音がしないか
・エンジン回転だけ上がって加速しない症状がないか
・DレンジやRレンジに入れたときに大きなショックがないか
このあたりを確認してください。
特に走行距離が多い車は、CVTのフィーリングを慎重に確認した方がいいでしょう。
エクストレイル購入前のチェックポイント
整備記録簿が残っているか確認してください。
また、CVTフルードの交換歴や、過去にミッション関係の修理をしていないかも確認しておくと安心です。
価格が安いからといって、試乗せずに購入するのはおすすめできません。
2位 マツダ CX-5 ディーゼル
CX-5はデザインも良く、走りも魅力的なSUVです。
特にディーゼルモデルは力強いトルクがあり、高速道路をよく走る人には人気があります。
ただし、中古で購入する場合は、
・煤の蓄積
・DPF
・インジェクター
・オイル管理
などを確認したい車です。
ディーゼルエンジンは短距離走行ばかり繰り返していると、煤が溜まりやすくなることがあります。
近所への買い物だけに使われていた車と、高速道路を定期的に走っていた車では、同じ走行距離でも状態が違うことがあります。
CX-5購入前のチェックポイント
オイル交換履歴を必ず確認してください。
また、
・DPF警告灯が点灯していないか
・エンジン音に違和感がないか
・アイドリングが不安定ではないか
・加速時に異常な振動がないか
なども確認したいポイントです。
CX-5ディーゼルがすべて壊れやすいわけではありません。
しっかり整備されてきた車なら、長く乗れる車もたくさんあります。

3位 三菱 アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEVは、電気とガソリンを組み合わせた非常に魅力的なSUVです。
燃費性能が良く、静かで走りも快適です。
ただし、中古で購入する場合は通常のガソリン車とは違った確認が必要になります。
PHEVには、
・駆動用バッテリー
・モーター
・インバーター
・充電システム
・電子制御装置
など、多くの電動部品が使われています。
年式が古くなるほど、駆動用バッテリーの状態は重要になります。
アウトランダーPHEV購入前のチェックポイント
一番確認したいのは駆動用バッテリーの状態です。
可能であれば購入前にディーラーなどで、バッテリー容量や診断結果を確認した方が安心です。
また、充電が正常にできるかも確認してください。
PHEVは非常に良い車ですが、普通のガソリン車と同じ感覚で中古車を選ばないことが重要です。
4位 スバル フォレスター
フォレスターは四輪駆動性能が高く、雪道やアウトドアで人気のSUVです。
走行安定性も高く、魅力のある車です。
ただし、中古で購入する場合は、
・CVT
・オイル漏れ
・ハブベアリング
・足回り
・下回りの錆
などを確認したい車です。
特に雪国で使用されていた車は、融雪剤の影響で下回りが錆びていることがあります。
外装がきれいでも、車をリフトアップすると下回りがかなり錆びているケースがあります。
フォレスター購入前のチェックポイント
試乗中に、
「ゴー」
「ゴロゴロ」
といった音が速度に合わせて大きくなる場合は、ハブベアリングなども疑います。
また、エンジン下部やミッション周辺にオイルのにじみがないか確認してください。
中古SUVでは、下回りの確認は非常に重要です。
👉 関連記事
【2026年版】壊れにくいSUV7選|中古で故障しにくい国産車を整備士歴40年以上が解説

5位 BMW X3
BMW X3は高級感があり、走行性能も高い人気SUVです。
新車では高額ですが、中古になるとかなり価格が下がっている車もあります。
そのため、
「この価格ならBMWに乗れる」
と魅力を感じる人も多いでしょう。
しかし注意したいのは、
中古車価格が安くなっても、修理費まで安くなるわけではない
という点です。
年式やモデルによっては、
・オイル漏れ
・冷却水漏れ
・電装系
・センサー類
・足回り
などに修理が必要になる場合があります。
BMW X3購入前のチェックポイント
輸入車は整備履歴が特に重要です。
エンジンルームだけでなく、
・下回り
・冷却水
・オイル漏れ
・警告灯
・エアコン
・電装品
まで確認してください。
安い中古車ほど「買ってからお金がかかる可能性」を考えて選ぶ必要があります。
輸入車からSUVへ乗り換えるなら査定額も確認
BMWやメルセデス・ベンツなどの輸入車から買い替える場合は、ディーラーの下取りだけで決めず、輸入車を得意とする買取店の査定額も確認しておくと安心です。
輸入車は買取店によって査定額に差が出る場合があります。
6位 メルセデス・ベンツ GLC
GLCも高級感があり、非常に魅力的なSUVです。
中古市場では、新車価格から考えるとかなり安くなった車もあります。
しかし、GLCも購入価格だけで判断するのはおすすめできません。
年式やモデルによっては、
・電装系
・センサー類
・エアコン
・足回り
・ディーゼル関連装置
などに費用がかかる場合があります。
GLC購入前のチェックポイント
輸入車の場合、警告灯が点灯していないかは必ず確認してください。
「センサーだけだから大丈夫」
と言われても、その場で判断せず原因を確認した方がいいでしょう。
また、保証付きの販売店から購入するのも一つの方法です。
7位 フォルクスワーゲン ティグアン
ティグアンは走行安定性が高く、ボディサイズも使いやすいSUVです。
一方、中古で選ぶ場合は整備履歴を確認したい車種です。
特に、
・DSG
・電装系
・冷却系
・センサー類
などは購入前に確認しておきたいポイントです。
ティグアン購入前のチェックポイント
試乗するときは低速走行もしてください。
発進時や低速時に、
・ギクシャクする
・大きなショックがある
・変速時に異音がする
という場合は慎重に判断しましょう。
輸入車は専門店や、そのメーカーに詳しい整備工場が近くにあると安心です。
買ってはいけない中古SUVの共通点
ここまで車種を紹介しましたが、実際には車名だけで中古車を判断するのはおすすめできません。
私が中古SUVを選ぶなら、次のような車は特に注意します。
整備記録簿がない
中古車では整備履歴が非常に重要です。
オイル交換や車検整備の記録が残っていれば、その車がどのように管理されてきたか判断しやすくなります。
反対に、記録がほとんど残っていない車は慎重に考えます。
相場より極端に安い
中古車が安いこと自体は悪いことではありません。
しかし、同じ年式・走行距離の車より極端に安い場合は、その理由を確認してください。
修復歴や機関系の状態などに理由がある可能性があります。
短距離走行ばかりのディーゼル車
ディーゼル車は長距離走行に向いています。
近所への買い物など短距離走行ばかり繰り返している車は、DPFや煤の状態を確認した方がいいでしょう。
エンジンや足回りから異音がする
異音は中古車の重要なサインです。
例えば、
「カラカラ」
「ゴー」
「ゴロゴロ」
「キュルキュル」
といった音がする場合は、原因を確認してから購入してください。
販売店から、
「中古車だからこんなものです」
と言われても、納得できなければ別の車を探した方が安心です。
警告灯が点灯している
中古車購入時に警告灯が点灯している車は、基本的に原因を確認するべきです。
警告灯を消して納車するだけでは、本当の原因が直っているとは限りません。
診断機を使えば故障コードを確認できる場合もあります。
中古SUV購入前に必ず確認したい7項目
中古SUVを買うときは、最低でも次の7項目を確認してください。
1. エンジン始動時の音
できればエンジンが冷えている状態から始動してください。
冷間時にしか出ない異音もあります。
2. オイル漏れ・冷却水漏れ
エンジンルームだけでなく、車体の下も確認してください。
3. AT・CVTの変速状態
試乗して、
・変速ショック
・滑り
・異音
・振動
などがないか確認します。
4. 下回りの錆
SUVは雪道やアウトドアで使用されることも多いため、下回りの状態は特に重要です。
5. タイヤの片減り
タイヤの内側だけ、外側だけが極端に減っていないか確認してください。
6. 整備記録簿
中古車を見るときは、走行距離だけでなく整備履歴を重視します。
10万km走っていても、しっかり整備された車の方が安心できるケースがあります。
7. リコール実施状況
中古車でもリコール対象になっている場合があります。
購入前に未実施のリコールがないか確認しておきましょう。
👉 関連記事
中古車購入前に絶対確認したいチェックポイント15選|整備士歴40年以上が解説

SUVは走行距離だけで判断しない
中古車を探していると、
「5万kmだから安心」
「10万kmだから壊れる」
と考える人がいます。
しかし、私は走行距離だけでは判断しません。
重要なのは、
どのような使われ方をして、どのような整備をされてきたか
です。
例えば10万km走っていても、定期的にオイル交換され、高速道路を中心に走ってきた車なら状態が良いことがあります。
反対に走行距離3万kmでも、短距離走行ばかりで整備されていない車は状態が悪い場合があります。
中古車では、
走行距離+年式+整備履歴+実車の状態
を合わせて判断することが重要です。
👉 関連記事
10万km超えの中古車は大丈夫?整備士歴40年以上が長く乗れる車の見分け方を解説

その下に、走行距離が少ない車の記事も入れてOKです。
中古SUVへ買い替えるなら今の車の価格を確認
中古SUVへの買い替えを考えている場合、今乗っている車をそのままディーラーへ下取りに出す前に、一度買取価格を確認しておくことをおすすめします。
ディーラーの下取り価格と、買取専門店の査定額では差が出ることがあります。
特に、
「今の車がいくらになるのか分からない」
という人は、先に現在の車の価値を知っておくと、次に購入する中古SUVの予算も決めやすくなります。
まとめ|買ってはいけないSUVより「買ってはいけない個体」を避ける
今回は、中古で購入するときに注意したいSUV7車種を紹介しました。
今回紹介したのは、
- 日産 エクストレイル
- マツダ CX-5 ディーゼル
- 三菱 アウトランダーPHEV
- スバル フォレスター
- BMW X3
- メルセデス・ベンツ GLC
- フォルクスワーゲン ティグアン
です。
ただし、今回紹介した車種すべてが「買ってはいけない車」という意味ではありません。
中古車で最も重要なのは、
車種だけではなく、その1台の状態を見ること
です。
私なら、
・エンジン
・ミッション
・下回り
・整備記録簿
・試乗時の異音
を特に重視します。
見た目がきれいでも、機関系の状態が悪ければ購入後に高額な修理費がかかる場合があります。
反対に走行距離が多くても、しっかり整備されてきた車なら、まだまだ長く乗れるケースもあります。
中古SUVを選ぶときは、
「安いから買う」のではなく「状態が良いから買う」
という考え方が大切です。
少しでも違和感のある車は無理に購入せず、別の車を探してください。
中古車は同じ車種でも1台1台状態が違います。
焦らず比較することが、良い中古SUVを見つける一番の方法です。


コメント