中古で買う前に絶対チェックすべきポイントをプロが解説
スズキ・スペーシアは軽自動車の中でも人気が高く、
燃費・使い勝手・車内の広さのバランスが非常に良いモデルです。
しかし、中古車として検討する人の多くが気にするのが──
「スペーシアって壊れやすいの?」
という不安。
結論から言えば、
“特定の年式・走行距離・使われ方” に注意すれば問題ありません。
ただし見逃すと修理費が高くつくポイントがあるのも事実です。
この記事では、元プロ整備士の視点から、
中古スペーシアの弱点・壊れやすい部分・買う前に絶対チェックすべきポイント をまとめて解説します。
■ 結論:スペーシアは基本的に「壊れにくい軽自動車」
まず前提として、
- エンジン
- ミッション(CVT)
- 足回り
- 基本構造
これらは比較的安定しており、
“特別壊れやすい軽自動車ではありません”。
ただし!
スペーシアには、
年式によって“弱点になりやすいポイント”があります。
中古で買う前にここを知らないと、
後から 修理費3〜10万円 の出費につながることも。
■ 中古のスペーシアで“壊れやすい”と言われるポイント

ここが要注意です。
① バッテリーの寿命が短め(ハイブリッドの特性)
スペーシアはマイルドハイブリッド搭載モデルが多く、
バッテリーの負担が大きい傾向があります。
✔ よくある症状
- アイドリングストップが効かない
- 信号待ちでエンジンが止まらない
- セルが弱い
- 警告灯が点灯する
✔ 修理・交換費用の目安
- 通常バッテリー:1〜2万円
- アイドリングストップ対応:2〜3万円
→ 中古車を見るときは「いつ交換したか?」は絶対確認。
② ブレーキの“錆び”が出やすい車もある
軽ハイトワゴン全体にいえる弱点ですが、
スペーシアも ブレーキローターの錆 が出やすい個体があります。
特に「チョイ乗り・短距離使用」が多い車に起きやすい。
✔ こんな症状があれば要注意
- キーッという擦れる音
- ブレーキの効きが弱い
- ペダルが振動する
✔ 修理費
- ローター交換:1〜2万円
- パッド交換:7,000〜1.2万円
③ スライドドアのモーター故障(年式による)
スペーシアは 両側スライドドアの“電動モーター” が弱ることがあります。
特に2013〜2017年モデルで報告が多め。
✔ 兆候
- 開閉が遅い
- たまに止まる
- 異音(ウィーン・カタカタ)
✔ 修理費
- モーター交換:2〜4万円
中古で買うなら「スライドドアの動作チェック」は必須!
④ CVTオイル無交換の個体は危険
スペーシアはCVTなので、
“オイル無交換で走ってきた車” は大きく寿命が縮みます。
CVTは熱に弱く、
通勤・街乗り・荷物の多い使い方で劣化しやすい。
✔ チェックするポイント
- CVTオイル交換歴(2〜4万kmごとが理想)
- 変速の違和感がないか(加速がモタつく場合は危険)
✔ 修理すると高額
- CVT本体交換 → 20〜40万円
→ 中古で絶対に避けたい“地雷ポイント”です。
⑤ エアコンの効きが弱い個体がある(型式差あり)
スペーシアの一部年式では、
エアコンコンプレッサー の弱りが報告されています。
✔ 症状
- 夏に冷えが弱い
- アイドリング中に温くなる
- 異音が出る
✔ 修理費
- コンプレッサー交換:4〜7万円
中古車選びなら エアコンの動作確認は必須 です。
■ 中古スペーシアを買う前に“絶対に確認すべき5点”
すぐ使えるチェックリストをまとめました👇
✔ ① バッテリーの交換時期
2年以上交換していない → 交換前提で計算する
✔ ② スライドドアの動作・異音
手で開閉 → 電動開閉 → 異音チェック
✔ ③ CVTオイル交換歴
記録簿に「CVTフルード交換」と書かれているか?
✔ ④ ブレーキ周りの錆
ローター表面が赤茶色なら要注意
✔ ⑤ エアコンの効き
アイドリングでもしっかり冷えるか?
■ どの年式のスペーシアが“買い”か?
中古で狙いやすいのは──
⭐ 2018〜2021年のスぺーシア(現行型の前期)
- マイルドハイブリッドの成熟
- 不具合が減った年式
- 価格もほどよく下がって狙いやすい
走行距離は
4〜7万km以内 がベストです。
■ まとめ:スペーシアは壊れやすい?
→ “ポイントさえ押さえれば” 壊れにくい優良車
スペーシアは決して壊れやすい車ではありません。
ただし、中古車の場合は
注意すべき弱点が決まっている のも事実。
逆に言えば──
その弱点を避けるだけで
「壊れにくい優良スペーシア」に当たりやすくなる
ということです。
初めて軽自動車を買う人にもおすすめできる車種なので、
正しいポイントを押さえて選びましょう。


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